古代、中世の知恵

 

食品包装の歴史には人類の知恵が見て取れます。食品は製造を起点として、加工、流通、保存、摂取という一連の工程を辿ります。どの過程においても包装のための入れ物は必要ですから、科学技術が進んでいなかった古代、中世の人類は苦心しました。最初の入れ物は当然ながら天然の産物でした。瓢箪や竹、葉っぱ、卵の殻、貝殻、動物の腸などが重用されたのです。日本も例外ではなく、万葉集にもその光景が詠われており、竹や葉に盛っていたこと、椎の葉も客人用として利用されたことが分かります。しかも単なる食器としてではなく、香りも楽しめる包装材としても愛用されました。例えば、柏や桜の葉で食品を包むと香りが良くなることを、当時の日本人は経験から学んでいたのです。また、笹の葉で包むと腐りにくくなることも知られていました。その名残として、今でも和菓子を葉っぱで包むケースが散見します。

天然の産物を使った包装材としては、クマザサも挙げなければなりません。こちらは昔からよく用いられていた葉っぱなのですが、現在でも寿司や刺身と一緒に盛られることがあるため、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。クマザサには塩水で鮮度が回復するという特徴があり、魚介類に添えると緑色が冴えることから、食品の印象を向上させるために用いられます。「ささ切り」という盛り付け方まで普及しており、包丁で定番の形に切り取って使用します。また他の葉っぱと同様に、防腐効果も期待できます。一般に、酢酸、サリチル酸、フェニル酸、安息香酸等が多分に含まれていれば、防腐効果を期待できるのですが、クマザサも例外ではないのです。

 

 

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